若い皆さんは今、楽しく、希望に満ち溢れていることと思います。
ですが、30歳、40歳と年を取るごとにシワはふえ、体力は衰え、頭は固くなり、記憶力は悪くなり、衰える一方です。
何も努力しなければ能力も体力も容姿も、すべて若い時にかなうわけがないのです。
人的資本(ヒューマンキャピタル)という考え方があります。
これはアメリカの経済学者、ゲーリー・ベッカーの著書で知られるようになった経済理論で、人間の経済的価値を投資によって高めることができるという考え方です。
資産家の家に生まれれば、金銭や現物資産を受け継ぐことで、物的資本を生まれながらに持っていますが、ほとんどの人間は物的資本をほぼ何も持たず生まれてきます。
ですが物的資本を持つ資産家の家庭に生まれなくても、誰しも何らかの能力を持っており、この人間の持つ能力を使って稼ぐ力のことを人的資本と言います。
生涯賃金が1億円の能力を持った人は、人的資本が1億円ということになりますし、イチローのように数百億稼ぐ人は、それだけの大きな人的資本、能力を持っているということになります。
大事なのは、この人的資本(稼ぐ能力)は、生まれながらに決まっている訳ではないということです。
人的資本は努力と投資によって、自分自身で増やすことができます。
しかも、物的資本と違って他人に移転することができない、自分だけの資産です。
若い時は伸びしろが大きい反面、たいした資産は持っていないでしょうから、自分自身に全力で投資すべきです。
(年齢を重ね、人的資本を物的資本が超えれば、他の投資を検討しても良いかもしれません。)
たとえばスポーツのプロ選手だったら、体を健康に保つ努力をして長く働ける体づくりとか、日々のトレーニング、筋トレをするとかになるでしょうか。
私たちの仕事であれば、本を読むとか、ネット上のセミナーを受講するとか、ブログを書いてみるとか、お金をかけなくても人的資本を高める方法はいくらでもあります。
能力を高める努力を積み重ねることで、考える力、知識量など高めることができ、人的資本を大きく増やすことができます。
マックジョブとクリエイティブクラス
仕事は大きくマックジョブとクリエイティブクラスの2つに分類できます。
ファーストフード店では若い学生でも簡単に難しいことを考えずに仕事が覚えられるよう、仕事を高度にマニュアル化しています。
マックジョブとはシステム化され、全てがマニュアルで決められた仕事のことで、誰にでもできるように仕組化された仕事全般を表す言葉です。
マックジョブのようなマニュアルで決められた単純労働を続けても、人的資本は増えないので、マックジョブに従事する20歳と50歳では人的資本はほぼ同じとなります、しかも若い時の自分のパフォーマンスはまず出せません。
マックジョブはマニュアル化、仕組化されており、誰でもできる仕事、クリエイティブクラスは、新しい何かを生み出す仕事のことです。
今後は仕事が労働力の安い海外に流出したり、ロボットやシステムに置き換わったり、無くなる業種が増えると言われています。
ですが、クリエイティブクラスといわれる新しい何かを生み出す仕事は、ロボットやシステム、マックジョブを作り出すことが仕事ですから、なくなることはありません。
「人的資本を最大化するために努力せよ。」
そして、年を重ねたとき、後悔しない最高の人生を送ってもらいたいと思います。